※この記事は、「夫の網膜剥離の体験記(1)」、「夫の網膜剥離の体験記(2)」、「夫の網膜剥離の体験記(3)」の続きになります。
夫が網膜剥離の手術をしてから、3か月ちょっと経ちました。
先月で、手術した大学病院での定期検診は終わりました。
今後の定期検診は、近くの提携先病院ですることになりました。
今処方されている目薬が終わったら、3か月に1回程度の通院になります。
お見舞いのコメントをいただき、ありがとうございました。
おかげさまで順調に回復しています。
今の見え方について
※見え方は、病状や手術方法などで、かなり個人差があります。
今は、手術した右眼だけで見ても、変視や小視の程度が、かなり軽くなったようです。
ただ、遠くの物や、小説のように縦書きの文章を読む時は、何箇所かわずかに歪むらしく、見方に工夫が必要なようです。
横書きだと歪んで見えないらしいので不思議なのですが、横書きの方が、利き眼の左眼で見やすいように調整しやすいのかもしれません。
あと、急に右側に振り向くと、右眼の見え方が優位になり、視界が目まぐるしく変わることがあるみたいです。
映画を観に行きました
映画や舞台を観るのが好きな夫。
遠くの物は歪んで見えることもあるので、どうなんだろう…と思いましたが、試しに行ってみることにしました。
空いていたら席移動して、どの辺りの席なら見えやすいのか確認したいと思ったのですが、近くの映画館はシネコンばかりで指定席です。
探してみると、座席自由の上映会があったので、行ってきました。
「さいたま国際芸術祭2023(2023年12月10日まで)」の企画の1つだったらしく、旧市民会館おおみやの大ホールで「セノーテ」という映画を観ました。
利き眼の左眼で観やすいように、左寄りの真ん中あたりに座りましたが、字幕は右端・縦書きでした。
でも、結構混んでいたので席移動は諦めました。
幸い、夫は字幕も含めて支障なく観ることができたようです。
映画は、メキシコの洞窟内の泉(セノーテ)にまつわるドキュメンタリー。
泉というイメージからかけ離れた、迷路のような空間が水中に広がっていて、ちょっとホラー映画のような映像でした。
見え方を確認するという、条件で観に行ってしまいましたが、「こんな世界があったとは…」と思う力作でした。
会場入り口に液晶パネルがあり、不思議な映像が映っていました。
それは、白鳥建二さんが撮影した写真でした。
夫が手術する前に「失明」で検索した時、「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」という本が表示され、気になっていました。
もし私が眼が見えなくなっても、物はそこにある。
そのことに寂しさではなく、安堵感を感じることがあるかもしれない。
見ながらそう思うような、印象的な写真でした。
この芸術祭のディレクターは、目[mé]という現代アートチームだそうで、何か縁を感じました。
偶然、舞台を観ることができました
映画は、字幕も含めて歪まずに見えました。
そのうちに舞台も見え方を確認したいと思っていたところ、偶然、ダンスを観る機会がありました。
踊る人の頭が小さく見えたり、歪んで見えたりするかも…と思いましたが、大丈夫だったようです。
「大巻伸嗣 真空のゆらぎ展(国立新美術館・2023年12月25日まで)」の関連イベントでした。
この展覧会、無料でびっくりでした。
夫の目の見え方が手術前と同程度にまで回復するかはわからないものの、好きな映画や舞台を今後も観ることができそうで、ほっとしました。
ご覧いただき、ありがとうございました。
今年もあと数週間になりましたが、お体を大切になさってください。